雑記/晴子情歌、新リア王、太陽を曳く馬 読了①
2010年10月28日 読書
9/25 新リア王/高村薫 読了。
なに三部作なのだろうか・・・福澤家三部作?
ということで、高村薫です。「新リア王」は第二部。
「晴子情歌」が第一部で、2002年の本なのだが、
積読していたのを去年末に読了。
戦前戦後を生きた母・晴子が遠洋漁船員の息子・彰之に宛てた、
自分の半生を綴った長大な手紙と彰之が出家するまでの話
(が交互に)。
青森の政治家一家・福澤家の話でもあるのだが。
若き日の晴子が父と共に働きに出た、鰊漁(鰊場)の話が非常に
印象に残っている。
昭和初期だったか? の北海道で、大勢の人で鰊を取って浜で加工
して運び出していくという、壮大な感じと労働の喜びみたいなものや
躍動感、人が集まるところの猥雑さ。
なんだかうらやましい感じがして、忘れられない話であった。
後半は、晴子が福澤家へ行き、彰之がどうして生まれたかが
書かれており、折々の手紙の行間から滲む隠微さが”情歌”
なのかなあと。母も”女”であった という感じか。
「新リア王」が第二部で、2005年の本。
実の父親であり政治家である福澤榮が出家した息子・彰之に、青森に築いた
地方権力のまさに”王国”が崩壊するまでの話を延々と語り、彰之は出家して
からの半生を延々と語るという、政治と宗教の話。
まあ、読者には拷問のような構成であるが、地方政治と仏家の話が交互に
語られており、噛み合わない感じがユーモラスと言えばユーモラスで。
読者を突き放しちゃってるってどこかに書いてあったが、父子がお互いに
半生を語りあうという現実にはないであろうシチュエーションが小説になって
いる時点で、なんか筒井康隆っぽいところがあるのかなあと、これはギャグ
なのか?
悟りを得られずに苦悩?する彰之の、宗教家の理想と現実のギャップが
悲しくも滑稽であり、榮の語る言い訳じみた地方政治? 一般的に想像
している政治家の金の流れ(など)が、本当にそうなのかと思い、
でもそれが現実であるかのように良く書かれていたように思う。
高村薫はリアルに書くので、ほぼ事実なのかなあと。
青森の原発の話など特に。
なに三部作なのだろうか・・・福澤家三部作?
ということで、高村薫です。「新リア王」は第二部。
「晴子情歌」が第一部で、2002年の本なのだが、
積読していたのを去年末に読了。
戦前戦後を生きた母・晴子が遠洋漁船員の息子・彰之に宛てた、
自分の半生を綴った長大な手紙と彰之が出家するまでの話
(が交互に)。
青森の政治家一家・福澤家の話でもあるのだが。
若き日の晴子が父と共に働きに出た、鰊漁(鰊場)の話が非常に
印象に残っている。
昭和初期だったか? の北海道で、大勢の人で鰊を取って浜で加工
して運び出していくという、壮大な感じと労働の喜びみたいなものや
躍動感、人が集まるところの猥雑さ。
なんだかうらやましい感じがして、忘れられない話であった。
後半は、晴子が福澤家へ行き、彰之がどうして生まれたかが
書かれており、折々の手紙の行間から滲む隠微さが”情歌”
なのかなあと。母も”女”であった という感じか。
「新リア王」が第二部で、2005年の本。
実の父親であり政治家である福澤榮が出家した息子・彰之に、青森に築いた
地方権力のまさに”王国”が崩壊するまでの話を延々と語り、彰之は出家して
からの半生を延々と語るという、政治と宗教の話。
まあ、読者には拷問のような構成であるが、地方政治と仏家の話が交互に
語られており、噛み合わない感じがユーモラスと言えばユーモラスで。
読者を突き放しちゃってるってどこかに書いてあったが、父子がお互いに
半生を語りあうという現実にはないであろうシチュエーションが小説になって
いる時点で、なんか筒井康隆っぽいところがあるのかなあと、これはギャグ
なのか?
悟りを得られずに苦悩?する彰之の、宗教家の理想と現実のギャップが
悲しくも滑稽であり、榮の語る言い訳じみた地方政治? 一般的に想像
している政治家の金の流れ(など)が、本当にそうなのかと思い、
でもそれが現実であるかのように良く書かれていたように思う。
高村薫はリアルに書くので、ほぼ事実なのかなあと。
青森の原発の話など特に。
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